クシャられてたまるか
ひとつのなにかを中心にして、それを囲むようにいるペパカプ、ストロルン(ストロー)
ポンジ(スポンジ)。手袋(ビニル)。
◯とりあえず始まる
彼らの中央には、コンパクトなビデオカメラ。
ペパカプ「たとえば、名前で呼んであげるとかはどうだろうか」
ストロルン「あーこみ上げる。それこみ上げる」
ポンジ「最近のカメラはこれまでの流れを調べたりするとものすごく小さくなっているというか、すで
に形として残しておくのはある意味説得力のためだけなのか、そうじゃないのか」
手袋「あんまり、簡易的になっても温もりを感じられなくなっちゃうからね。ある程度のフォミュラン
は必要だと感じます」
ペパカプ「進む必要は非常にあるとおもうけれども、鬼を退治するって映画には鬼とか必要だしな」
ストロルン「俺らどうせ回収5分の一番最初に食べられちゃう、麦わら帽子の釣り糸たらしてるヒゲの
オッさんポジションだよ」
◯きっと目標
ペパカプ「何かを残すことは俺には可能なのか」
ストロルン「私の身体の中を通っていった彼らの事は覚えておきたい」
バーベキュー会場。散らかって重なっている紙コップとストロー。
ペパカプ「とめどねえなぁ。江戸弁の俺には、ったー短えことも腹くそがすっぽりびしゃっちまった
ぜ」
ストロルン「でも今日のペパカプ、すごい嬉しそうだった」
ペパカプ「こっぷでい。結局使われた時が一番嬉しいのかもなぁ。終わりを意識するからな、そこに迎
えるからな。毎日の紙コップに重なって、挟まれて同じ話してるのもいいきなもんだが、俺の性には
あわねえんだよ」
ストロルン「ラストスパット、泣きつかれるまで私はズズッていられたい」
ペパカプ「……映画とりてえなぁ」
◯そこに現れる、真っ赤な鬼とか